ヒートポンプに関する疑問をQ&A形式でまとめました。

※内容は予告なく変更することがございますのでご了承ください。
※法規に関する事項については、お客様自身で所轄官庁へのご確認をお願いします。

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ヒートポンプのしくみ

ヒートポンプとは?

冷媒を圧縮・膨張させ水や空気と熱交換することで冷水・温水を生成できる機器です。少ない投入エネルギーから大きな熱エネルギーを得られるため高効率であり、省エネ設備として注目を集めています。

ヒートポンプの原理が知りたい。

「冷媒を圧縮すると高温高圧になり、膨張させると低温低圧になる」「熱は高い方から低い方に移る(熱力学第二法則)」、という物理現象を活用して熱交換を行い、冷水と温水を生成しています。詳細はこちらをご参照ください。

熱回収ヒートポンプを使うメリットは?

冷温水同時取り出しが可能であり、冷水側、温水側ともに既設機の負荷低減に伴う省エネ・省CO2に寄与できるというメリットがございます。特に昨今の脱炭素トレンドの中、ボイラ代替として化石燃料使用の低減に繋がると注目を集めております。

COPとは?

使用する電力に対し何倍の熱出力(どれだけの冷却(冷房)、加熱(暖房)の効果)が得られるのかを示す指標です。Coefficient Of Performanceの頭文字を取ったもので、エネルギー消費効率や成績係数とも呼ばれます。

なぜヒートポンプは高効率なのですか?

冷媒の相変化時に発生する潜熱を利用し、蒸発時に冷却、凝縮時に加熱することで投入エネルギー以上の能力を発揮することができるため、高効率な運転が可能になります。

熱回収とは?

一言で表すと「熱のリサイクル」で、廃棄している熱を再度有効活用することです。

排熱回収とは?

工場排水や機器冷却水等の排出されている熱を回収し、熱源として有効活用することです。

どういったものが熱源として活用できますか?

エアコンプレッサや水冷チラーの機器冷却水、工場排水等に活用できる可能性がごさいます。

空冷機と水冷機とは何ですか?

冷媒と空気で熱交換を行い外気に排熱されるものが空冷機、冷媒と水で熱交換を行い冷却水として排熱されるものが水冷機です。KOBELCOのヒートポンプは水冷機をメインに取り扱っております。
また、通常は排熱(大気放熱)される熱を温水として回収し、有効利用することで省エネ・脱炭素に貢献する熱回収ヒートポンプのラインナップを多数そろえております。

空冷機と水冷機の長所、短所は何ですか?

水冷機の長所として、空冷機と比べ高効率、設置場所の外気影響を受けにくいこと等が挙げられます。また、水冷機の短所として排熱側の補機設置工事、配管工事等が必要なことが挙げられます。
空冷機の長所、短所は上記とトレードオフの関係になります。また、空冷機では、冬期の暖房(加熱)運転において、性能が低下すること、デフロスト運転による稼働率の低下があるという短所もございます。

KOBELCOヒートポンプの特徴

機種はどれくらいありますか?

幅広い機種を揃えております。詳細はこちらをご参照ください。

部分負荷に対応できますか?

可能です。定格能力の25~100%内でインバータによる容量制御を行います。※機種により異なります。

どの様なオプションがありますか?

「屋外仕様」「防振装置の変更」「入力側ノイズフィルタ」「漏電ブレーカー」「冷温水の遠方温度設定」のオプションがございます。詳細はカタログを参照ください。

コベルコのヒートポンプは何故効率が良いのですか?

「自社製圧縮機の効率を極限まで高める製造技術」「ブレージングプレート式の熱交換器における最適な冷媒分配制御」「圧縮機と熱交換器の性能を最大限引き出し、ユニット性能を高効率に維持する運転制御技術」が理由にあげられます。

何度から何度まで供給できますか?

全機種で-25~175℃までの温度範囲をカバーしております。各機種毎の温度範囲はカタログを参照ください。

ユニットを連結させることはできますか?

可能です。電源ターミナル盤の有無やノイズフィルタ・ELB付属有無で最大連結台数が変わります。ターミナル盤無しでは最大12台まで、ターミナル盤有り(ノイズフィルタまたはELB付属)では最大8台、ターミナル盤有り(ノイズフィルターおよびELB)では最大4台まで連結可能です。

屋外でも使えますか?

屋外仕様のオプションを付けることで可能になります。(一部の寒冷地、沖縄を除きます)

コベルコのヒートポンプは他熱源と比較してどの程度省スペースですか?

標準的な500㎾の吸収式冷凍機と比較して約40%、ターボ冷凍機と比較して約50%の設置面積になります。

KOBELCOヒートポンプの仕様

圧縮方式は何ですか?

弊社の機種は全てKOBELCO独自開発のロータを採用したツインスクリュ圧縮方式です。

容量はどれくらいですか?

主力製品であるHEMⅡの容量は1台あたり約350~500㎾です。複数台を組合せて台数制御することでさらに大きな容量にも対応が可能です。機種や条件によって異なりますので、カタログをご参考ください。更に詳しく確認されたいお客様はお問い合わせください。

電圧は何V対応ですか?

200Vと400Vに対応しております。

工事範囲はどこまでですか?

館側までの運搬と現地試運転及び運転指導(1回)が弊社の納入範囲となります。

どのように台数制御が行われるのですか?

熱負荷に応じて台数を制御します。(HEMⅡの例:2台設置の場合、1台目の負荷率が85%に到達した時点で2台目が増段し、2台の負荷率が30%に下がった時点で1台の60%運転になります。)
台数制御増減段の%は機種やモードにより異なります。
また、複数台の場合、稼働時間が短いユニットから増段し、稼働時間が長いユニットから減段します。

屋外仕様と屋内仕様の違いは何ですか?

屋外仕様は塗装が一般的な耐候・塩害仕様になり、排気口やコントロールパネルにカバーがつきます。

寸法を知りたい。

機種によって差異はありますが、ほとんどの機種が幅約1~1.5m、奥行きと高さが約2~2.5mです。正確な数値はカタログをご参照ください。

カタログに載っている温度条件とは違う温度帯で使用したいのですが、能力は変わりますか?

変わる可能性がございます。ご確認されたいお客様は個別にお問い合わせください。

冷水出口温度と温水出口温度は両方とも保証できますか?

出口温度を目標値に調整できるのは片側のみとなります。調整されない側の温度は、調整される側の負荷変動に応じて成り行きとなります。

冷熱、温熱のバランスが崩れたらどうなりますか?

基調側(出口温度を目標値に調整する側)の負荷変動に応じて反基調側(出口温度を目標値に調整しない側)のヒートポンプの出力も変動します。例えば、ヒートポンプの反基調側の能力が負荷に対して極端に大きい場合、熱の過大供給となり、やがて自動保護停止(サーモオフ)します。

ブラインチラーのブラインは指定できますか?

指定できますが、ブラインの種類や濃度によっては使用不可となる場合もありますので個別にお問い合わせください。

冷媒は何を使用していますか?

代替フロン冷媒(HFC)、低GWP冷媒やノンフロン冷媒(HFO等)を採用した機種がありますので詳細はカタログをご参照ください。

どの程度の負荷率で使用すると最も効率が良いですか?

機種や温度帯によって異なります(冷却モード時は40~70%、熱回収モード時は100%)。ご確認されたいお客様は個別にお問い合わせください。

蒸気発生型ヒートポンプのSGHとは何ですか?

ヒートポンプで生成した高加圧温水をフラッシュタンクに供給し、蒸発させて蒸気を供給する装置です。

SGHを置けば蒸気を発生させることができるのですか?

SGHにより蒸気発生が可能ですが、一定量の熱源水が必要となりますので詳細は個別にお問い合わせください。

ヒートポンプ導入について

ヒートポンプ導入検討時のポイントは何ですか?

「冷熱と温熱のユースポイントが近い工程を選定する」「冷熱と温熱の熱バランスを考慮する」「熱回収ヒートポンプの稼働時間が最大化できるようベース熱源としての運用を計画する」、この3つがポイントとなります。詳細はこちらをご参照ください。

ヒートポンプを導入した際の経済的メリットや投資回収年数を試算することはできますか?

加熱(冷却)負荷熱量、加熱(冷却)負荷要求温度、既設加熱(冷却)熱源仕様、ユーティリティ条件(稼働時間・電力単価・ガス単価)等があれば可能です。具体的なメリットを確認されたいお客様は、上記をヒアリングシートに記入の上お問い合わせください。

どの様な業種・プロセスに適用できますか?

業務系についてはビル、商業施設、病院等の空調用途等に適用可能です。
産業系については半導体・電子部品業界のクリーンルーム空調、化学業界の蒸留、自動車業界の塗装工程等に適用できる可能性があります。導入事例の詳細はこちらをご参照ください。用途を問わず、冷温熱量と温度が適合すれば幅広い用途にご使用いただけます。

バックアップ熱源は必要ですか。完全置き換えはできますか?

基調側(出口温度を目標値に調整する側)の負荷変動に応じて反基調側(出口温度を目標値に調整しない側)のヒートポンプの能力も変動します。これにより冷温熱バランスの確保が難しくなるため、バックアップ熱源を別途ご用意することを推奨しております。

海外にも納入できますか?

国によって販売可否が異なりますので、別途個別にお問い合わせください。

周囲温度や外気温度は運転に影響がありますか?

周囲温度-10~40℃に対応しており、規定温度外になると電気関係部品への悪影響を及ぼす可能性があります。また、空冷機の場合は外気温度が低く湿度が高いと空気熱交換器に着霜する可能性があり、デフロスト運転(除霜運転)が働き運転に影響を及ぼします。

必要なメンテナンススペースは?

機種によって異なりますが、側面は500㎜、前面は1,200㎜、背面は1,500㎜前後のスペースは必要です。詳細はカタログをご参照ください。

負荷変動や温度変動が大きい場合どのような工夫をすれば良いでしょうか。

熱源構成として負荷のピーク時に合わせて熱源を選定することが一般的ですが、ヒートポンプはベース機として使用して冷温熱の不足分をチラーやボイラ等でバックアップすることが一般的です。また、負荷や温度の変動に対し、ヒートポンプと負荷の間にクッションタンクを設ける等して変動を抑えることが得策です。

水質が良くない水を使用したい。

水質管理基準に従った水の管理が必要になります。基準に満たない水を使用する場合、薬剤処理を行う、間接熱交換器を設置する等の対策が必要です。詳細な基準は個別にお問い合わせください。

騒音はどの程度ありますか?

70~80㏈程の騒音があります。対策として吸音材のオプションがございます。詳細はカタログをご参照ください。

補助金制度について知りたい。

経済産業省や環境省等が展開している補助金制度がございます。詳細は各省のページをご参照ください。

入出温度が5℃差と10℃差ではどちらが効率がいいですか?

殆どの場合10℃差の方が効率が良くなります。

冷水(温水)だけ使用したい。

冷水のみご使用になりたい場合は冷房モードとし冷却水側で排熱、温水のみをご使用になりたい場合は暖房モードとし井水等の熱源水から受熱する必要がございます。

環境

GWPとは?

二酸化炭素を基準に、当該ガスがどれほど地球温暖化に影響を及ぼすかを示す指標です。Global Warming Potentialの頭文字を取ったもので、地球温暖化係数とも呼ばれます。GWPが2の場合、二酸化炭素の2倍の温室効果を持っていることになります。

低GWPやノンフロン冷媒を使うメリットは?

オゾン層破壊や地球温暖化への懸念から年々強化される冷媒規制(キガリ改正)の制約を受けずに、長く使用できます。また、HFO冷媒等のノンフロン冷媒の場合、フロン排出抑制法の適用対象外となります。

低GWPやノンフロン冷媒を使うデメリットは?

微燃性冷媒である場合、機械換気装置と冷媒漏洩検知警報装置の設置が必要になります。

脱炭素とヒートポンプの関係性が知りたい。

電気式のヒートポンプはガスや石油による燃焼方式に比べてCO2排出量削減が可能です。また、少しの電力で大きな熱エネルギーを得られる高効率設備であるため省エネ・省CO2効果があり、脱炭素に貢献できます。

今後、ヒートポンプ導入によるCO2削減メリットはどうなりますか?

現在、日本はCO2排出量削減を求められています。国の方針で、電源構成における再生可能エネルギーの割合は増えていきCO2排出係数が下がっていくと考えられ、将来的にCO2削減メリットは大きくなると予想されます。

その他

メンテナンス体制について知りたい。

窓口は弊社で担当し、都道府県エリア毎に担当しているサービス会社がメンテナンス作業を実施いたします。詳細は個別にお問い合わせください。

法定点検はありますか?

フロン排出抑制法に基づいた点検が必要になります。

設置後、官庁に申請や届出は必要ですか?

KOBELCOのヒートポンプは設置時に第二種製造者で登録されるため、高圧ガス保安法に基づき原則製造開始20日前までに官庁への届出が必要です。また、部品交換や廃止する際にも変更届や廃止届が必要となる場合がございます。

納入実績数を知りたい。

国内外において実績がございます。詳細はこちらをご参照ください。